続★俺だけの家政婦さん
野末くんはため息交じりに息を吐くと「ちょっと待ってて」といって

書斎へと向かった。

そしてパソコンで書き上げた原稿を印刷した物を私に差し出した。

「本当に・・・いいの?」

「・・・ああ」

「何だかドキドキする」

「なんで?」

「だって・・・世界で一番最初の読者になるんだよ」

興奮気味に答えると野末くんは「ふ~~ん」と感心なさそうに返事をしながらも

照れた様な表情を浮かべた。

「野末くんありがとう」

私がお礼を言うと野末くんは私に背中を向けながら

「だけど、仕事はしてくれよ!」と言いながらリビングのソファーにどかっと脚を投げるように横になった。


この家に来て初めてくつろいでいるところを見た様な気がする。

やっぱり作家さんて・・・大変なお仕事なんだろうな~


とりあえず仕事が終わったら読もうと私は自室に原稿を置くと

キッチンで夕飯の準備に取りかかった。
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