続★俺だけの家政婦さん
「そういえば・・・あの短編って雑誌かなんかに掲載されるの?」

お昼になり

一緒にお昼ご飯を食べていた。

今日のメニュー野末くんのリクエストでざる蕎麦。

「ん?・・・あ~女性ファッション雑誌」

そばをめんつゆにつけながら上目遣いで答える。

「名前は?」

私も同じ様に箸を止めることなくそばをつゆにつける。

「何だったかな。『DAYS』だったかな~」

DAYSといえば20代後半から30歳前半の女性をターゲットにした

ファッション誌だ

私もよく買う雑誌の一つだ。

そんな人気雑誌に掲載されるなんてやっぱり野島景って売れっ子作家なんだろうな~

「前々から、恋愛ものの特集がある時にテーマに沿った短編を書いてほしいって

何度も依頼があったんだけど、忙しくてずっと断ってたんだけど・・・あまりにも

しつこいから3回だけならと引き受けたんだよ」

本当に書きたくなかったのだろう。

眉間にしわを寄せる。だけどそばを止める気配は全くない。

よっぽどそばが好きなのかと

どちらに対しても感心してしまう。

「じゃ~読ませてもらった原稿は1回目?」

野末くんは黙って頷いた。
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