続★俺だけの家政婦さん
「これから野島先生が長編をお書きになられるのですが、
先生のサポートをよろしくお願いします」

小島さんは私がしたような90度近い角度でお辞儀をした。

「あっ!小島さん。頭を上げてください」

小島さんはゆっくりと顔を上げたので私は話を続けた。

「大丈夫です。のず・・・いや、野島先生が別世界に行かないよう
ちゃんと見張って、食事も決まった時間にお出しします」

小島さんに笑顔を向けると安心したような顔を浮かべた。

ところが私の言った言葉に野末くんがすぐに反応する。

「な~にが、別世界に行かないようにだ。お前の方が毎回別世界に行ってるだろうが」

野末くんの不服そうに睨んでいるのが視界に入る。

「は~~~?私がいつ別世界に行ってんのよ」

「え?わかんねーの?お前が本読んでるときの顔はなんかまさしく
別世界に行ってる顔だね」

「ちょ、ちょっと見たこともないくせに変な事言わないでよ」

「その言葉そっくりお前に返すよ」

「あ、あの・・・」

小島さんの声に私と野末くんはハッとしたように小島さんに視線を向けた。

「あの~、先生と家政婦さんって・・・元々お知り合いなんですか?」

小島さんからの質問に思わず『やっちまった~』と思った。

だって、小島さんは野末くんの事が好き。その野末くんの家に住込みの家政婦

がいるって面白くないよね。しかもその家政婦って言うのが元々の知り合いだったら

余計に面白くないし、悩みが増えちゃいそうだよね。

だったらここは『年が近いだけです。アハハハハ~~~』って笑って否定すべきだよね。

だから私はすぐに否定しようと口を空き変えたのだが・・・
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