続★俺だけの家政婦さん
「こいつは俺の同級生」と野末くんは相変わらず余計な一言を

小島さんに伝える。すると案の定、小島さんの表情が硬くなる。

何でいうのかな~~

何度も言うようだけど野末くん高校生の時から全く成長してないよ。

小島さんはと言うと、野末くんの一言に驚き、微かだけど動揺の表情

を私は見逃さなかった。

「あっ・・・そうなんですか。でもそういう方が家政婦さんなら
 先生の執筆中のサポートも安心してお任せ出来ます。
それでは失礼いたします」

小島さんは仕事モードに切り替え、私に笑顔を向けると一礼して

帰って行った。

何だろう~

なんだか私はここにいない方がよかったんじゃないのかな?って

思うんだよね~

私が来る前だって料理を作ってくれる美人の担当さんがいたわけじゃん。

それも嫌々やってるって感じには見受けられなかった。

それを私が取ったようなそんな小さな罪悪感を感じてしまった。

だが、そもそも誰が一番悪いかって言うと


あいつだ!


「あのさ~もうちょっと女心の勉強したら?」

呆れ顔で野末くんを見る。

「は?何言ってんの?お前・・・」

ほらね。全くわかっちゃいない。

「ごめん。聞いた私が悪かった」

私はため息を吐くとそのまま自室に入った。

ドアの向こうから

野末くんの声が聞こえたが何言ってるかわからなかったし

聞きたいともおもわなくて

ベッドに寝転んだ。


どうして小説ではあんなに素敵なヒーローを書くのに

本人は超が付くほ恋愛に鈍感なのだろう~


まっ、私には関係ないけどねっ!

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