続★俺だけの家政婦さん

彼には内緒?

「ねえ~。そのじーっとみるのやめてくれないかな~。
仕事しにくいんだけど・・・」

野末くんは新作の書き下ろしを執筆中なのだが、実際に

執筆するのは午後からで午前中はと言うと

私を観察している。

今回、住込みの家政婦を依頼したそもそもの理由というのが

家政婦という仕事の取材も兼ねているのは所長から聞いており

それを踏まえた上で承諾したけど・・・


しつこいようだけど相手が野末くんだったら即断ってた。

後悔しても、もう遅いけどね・・・

だけど食事を作っているとき、掃除機をかけたり洗濯物を

干している時、とにかく金魚のフンのように後ろからついてきては

観察し、何かをノートに書き込んでいる姿が視界にはいって来るもんだから

気分がいいわけがない。

でも野末くんは私の言葉に耳を傾けることなくじーっと見ている。


私の仕事なんて家事代行で主婦の人たちが毎日こなしている

事と何ら変わりはない。

ただ違うとすればそこにお金が発生するってこと。

お金をもらう以上相手に満足してもらうのが第一で

何か言われても文句は・・・言えない。

わかっちゃいるけど・・・やっぱり気分よくない。

特にあのノート。

取材ノートと本人は言ってるけど一体何書いてるの?

すっごく気になる。
< 82 / 181 >

この作品をシェア

pagetop