続★俺だけの家政婦さん
須藤先生が車から降りると同時に私も車を降りた。

でもどう見ても普通の一軒家だ。

すると私の言いたいことがわかったのか店を指さした。

「ここね、2年先まで予約でいっぱいのイタリア創作料理の店」

「え?!2年?」

○年先まで予約でいっぱいの店とテレビなどでよく紹介される

番組を見たことがあるが自分には無縁だったし、本当にそんな店が

存在するのかと思っていたけど・・・本当にそういう店って存在するんだ~

でも、2年先まで予約でいっぱいって・・・

だったらどうして私たちが今ここにいるの?

約束したのは3日前。

やっぱり人気小説家でイケメンだから私生活は派手で

ここの店をデートの場所にするためにたくさん予約入れているとか?

「ここは、僕の弟の店なんだ」

「え?」

またしてもタイミングよく須藤先生に私の暴走する妄想を止められた。

「2年待ちって言うのも嘘じゃない。今日は兄貴の権限で無理矢理ねじ込ませた」

「はぁ~」

全ての疑問が解決されホッとしていると須藤先生はもう店のドアを開けていた。

後を追いかけ店の中に入ると暖かみのある照明が足下を照らし私たちを出迎え

てくれた。靴を脱いでスリッパに履き替え短い廊下をの先の扉を開けると

広々としたリビングがありそこには4人掛けのテーブルが3つ。

外観は普通の家なのに中はとてもおしゃれな作りのお店。

3つのテーブルはそれぞれのプライベートを確保するように離れている。

特別な日にぴったりなお店だった。
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