あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「正直、秋野さんにはガッカリしました。本当、こんな綺麗な先輩を振るなんて最悪最低野郎ですよ!だから見返してやりましょう?!」

「で、その相手が柴咲課長ってわけ」

「はい!!」


はい!!って…。そんな元気良く返事されてもねぇ…。


第一、こっちにその気がないのに、演技でもして柴咲課長に近付けばいいわけ?


いやいや、演技でも近付きたくないわ、あんな男。


「あ。噂をすればなんとやら、ですね」

「ん?」


お客さんが入ってくる方を見て言ったので、私も振り返ると、今話してた柴咲課長と高梨部長が二人入ってきて席を探していた。


「部長!ここ、空いてますよ!」

「ちょ、前田ちゃん!?」


何を思ったのかスッと前田ちゃんは立ち上がると、手を振り高梨部長のことを呼んだ。


もちろん満席状態なわけだし、しかも上司だし、相席くらい普通なんだろうけど…。


< 13 / 99 >

この作品をシェア

pagetop