あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「それは答えなければいけない質問か」

「は?」


柴咲課長の言葉に、前田ちゃんではなく私が返してしまった。


部下が年齢聞いただけなのに、なにその返事は!


「あははっ!柴咲、そんなんだと部下に嫌われるぞー」

「別に好かれようとも思ってないんで」


高梨部長がまたも豪快に笑うも、柴咲課長はニコリともしなかった。


この人って、笑うことがあるのだろうか。


「別に答えなくてもいいですけどー、万が一、取引先の方に〝柴咲課長っていくつなんですか?〟って聞かれたら困るじゃないですかー」


前田ちゃんはまったく気にしないのか、得意の語尾伸ばしで柴咲課長を見つめた。


確かに前、お茶出しをした際に〝高梨部長って、いくつなんですか?〟って聞かれたことがあった。


高梨部長は柴咲課長と違って、全然違って、何でも隠さず話してくれる上司だから年齢は聞いてた為、スムーズに会話が成立した。


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