あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「お断りします」

「課長命令だ」

「………」


何が〝課長命令だ〟よ。偉そうにしちゃって!


第一、私ショールームにも行ったことないってのに。


「今日やる書類整理もあるんですけど」

「出来るだろ。10年も勤めてれば」

「……無茶言わないでください。どんだけの量あると思ってんですか」

「そこを難なくこなすのが10年もいるベテランだろ」

「10年10年、言わないでください!!」


あー、腹立つ!やっぱりこの男とは合わない!


もう、どうして上田課長異動になったのよ!!


「部長」

「ん?柴咲とはもういいのか?お前らのやり取り面白かったぞ?」

「……、勝手に楽しまないでください!あの、上田課長ってどうして急に異動になったんですか」

「あっ、それ!私も知りたかったですー!異動の時期じゃないのに、おかしいですよねー」

「あー」


高梨部長は理由を聞いたのか、言いづらそうに目をキョロキョロさせていた。


「まぁ、いずれ噂になって分かることだろうからな。だけど、お前らから広めたりするなよ?」


そう言うと、高梨部長は少し小さめの声で私たちに教えてくれた。


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