あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「大将、ビールください!」

「雪乃ちゃん、飲み過ぎじゃないか?こっちとしては有難いけども」

「大丈夫です、最後の一杯にします!明日も仕事ですし」


いつもは二杯飲んで帰るものの、あの男のストレスで三杯目を頼んだ。


「そういえば、松谷課長」

「ん?」


三杯目のビールが来て、一口飲んだところで疑問に思ったことをぶつけてみた。


「奥さんと、うまくいってないんですか?」

「ん?あー、そう。役職に付くとさ、どうしても前より責任が重くなるし、仕事の量だって増えるわけよ。それをなかなか理解してもらえなくてね」

「いや、じゃあこんな時くらい早く帰ってあげたらいいんじゃないですか?」

「まぁ、そうなんだけどね…」


松谷課長は、あまり家に帰りたくない感じだった。


まぁ、結婚は結婚で色々大変なんだろうなと思いながら、また私はビールを飲んだ。


「雪乃ちゃんは、彼氏いるの?」

「……別れました」

「最近?」

「はい…」


まさか自分に彼氏のことを聞かれるとは思っていなくて、言うか悩んだけど別れたことを話した。


登俊、今頃なにしてるんだろ。私のことなんか忘れて、可愛い女の子と仲良くしてたりするのかな…。


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