あなたの愛に深く溺れてしまいたい
向かった場所は、路地に入って少し歩いたところにあるラブホテル。


慣れた手つきで部屋を選ぶ松谷課長を、私は黙って見ていた。


奥さんがいるのに、いつもこういうことをしているのかな…と、思った。


でも私は、浮気じゃない。不倫じゃない。


ただ、お互いを慰め合うだけ。それだけの関係。そう言い聞かせた。


「シャワー浴びたい?」

「……できたら」

「うん、じゃあ行っといで」


どうしよう…。今更、帰りますなんて言えない空気だし…。


腹括るしかないのかな。


言われた通り、シャワーを浴びて部屋に戻れば「おいで、雪乃」と呼ばれ、恐る恐る松谷課長が待つベッドに近付いた。


そこからは早かった。手首を掴まれると、松谷課長の胸へと飛び込む形となり、心の準備が出来ないまま唇が重なった。


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