あなたの愛に深く溺れてしまいたい
慣れた手つきで、バスローブの紐をほどき、繋いだこともない手に身体中を弄られると、耐えきれずに甘い声が自然と出てしまう。


「可愛いね、雪乃って」

「っ、」


クスッと笑い余裕のある松谷課長に対して、まったくの余裕がない私…。


やがて快感が絶頂に達した時、松谷課長の身体が重なった…。


これは、不倫なんかじゃないっ。


慰め合ってるだけなんだ、だから罪悪感とか、そんなのは感じる必要はないんだ。


松谷課長と身体を重ねて、私はもう一度シャワーを浴びた。


「違う、これは登俊を忘れる為の行為なんだから、何も考えちゃダメ…」


頭から熱めのシャワーを浴び、呪文を唱えるように自分に言い聞かせる。


今度はバスローブではなく着てきた服に着替えて部屋に戻ると、松谷課長もスーツに着替えていた。


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