あなたの愛に深く溺れてしまいたい
そんな午後。柴咲課長から頼まれた仕事を淡々とこなしていた時。
ブブッ──と、携帯が震えたのを感じ、コッソリ開くと松谷課長からだった。
《今日の夜、みんなでごはんどう?》
もちろん〝ごはんだけ〟ではない。〝みんな〟も、もちろん嘘。
多分だけど、万が一奥さんに見られた時、言い訳がつくからなんだと思う。
それを分かったうえで、私は返信をする。
《いいですよ。皆さんには私から声掛けしておきますので、松谷課長の好みに合わせます。連絡お待ちしております》
ハートマークなんて使わない。馴れ馴れしい言葉も絶対にダメ。
あくまで、私は〝部下として〟上司と、ごはんに行くだけなんだから。
松谷課長は「堅いねぇ」と言うけれど、そこで私が馴れ馴れしくしてしまえば松谷課長が演じてるのが、すべて水の泡になってしまう。
ブブッ──と、携帯が震えたのを感じ、コッソリ開くと松谷課長からだった。
《今日の夜、みんなでごはんどう?》
もちろん〝ごはんだけ〟ではない。〝みんな〟も、もちろん嘘。
多分だけど、万が一奥さんに見られた時、言い訳がつくからなんだと思う。
それを分かったうえで、私は返信をする。
《いいですよ。皆さんには私から声掛けしておきますので、松谷課長の好みに合わせます。連絡お待ちしております》
ハートマークなんて使わない。馴れ馴れしい言葉も絶対にダメ。
あくまで、私は〝部下として〟上司と、ごはんに行くだけなんだから。
松谷課長は「堅いねぇ」と言うけれど、そこで私が馴れ馴れしくしてしまえば松谷課長が演じてるのが、すべて水の泡になってしまう。