あなたの愛に深く溺れてしまいたい

前田ちゃんとの関係は相変わらず、変わらなかった。


毎日ランチを一緒にして、たまに息抜きで飲みに行くこともあった。


「先輩、抱えてる問題は解決した感じですか？」

「え？あー、うーん、解決したような、してないような……」

「えー、なんですか？それ」


その日のお昼休み。今日は定食屋さんに来ていた。


前回は鮭定食を食べて、あの男に嫌なことを言われたから今日は肉にしてやる！と、私は唐揚げ定食にしていた。


一方、前田ちゃんは親子丼。その親子丼を食べながら、私の返事に顔を顰めた。


だって、松谷課長との関係が続いている時点で解決なんかしてるわけがない。


でも私の心は少なからず落ち着いている。


登俊のことも少しずつだけど、過去に出来るようになってきた。


けど、結局私がしてることは不倫。前田ちゃんに話したくても、相談したくてもできないことだ…。