あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「……っ、」


あまりの迫力に息が詰まり、咄嗟に目線を唐揚げ定食に移した。


なんであんな目で睨みつけてくるのっ。


私が不倫をしてるから?最低な女だって軽蔑してるの?


だって仕方ないじゃない。誰かに縋りつきたくて縋りつきたくて、それがたまたま既婚者だったんだもん。


悪いことだって分かってるよ。分かってるけど、松谷課長に捨てられたら私はまた一人になる…。


そんなの嫌。絶対に嫌なの。


そう思っていた時だった。携帯のバイブが鳴り、画面にLINEの文字がうつされた。


「えっ…」


それは松谷課長からだった。


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