あなたの愛に深く溺れてしまいたい
***


「お先に失礼します」

「お先に失礼しまーす」


夕方5時、仕事を終わらせると前田ちゃんと二人会社を出た。


「どこ行こうか」

「そうですねぇ。個室があるところがいいですよね?」

「そうだね…できれば」


ワイワイガヤガヤしてるところは、避けたいかも…。


でも、どこかいいところ…


「あ。前田ちゃん。私の行きつけでもいい?」

「先輩のですか?もちろんいいですけど、行きつけなんてあったんですか?」

「うん。いつも一人で飲みに行くところなんだ」


いつもはカウンターで飲むけど、個室もあったことを思い出した。


個室なら、大将に聞かれることもないだろうし。


「先輩の行きつけ行ってみたいです!」

「そう?良かった、じゃあそこにしようか」

「はい!」


決まったところで、私たちは居酒屋に向かった。


< 72 / 99 >

この作品をシェア

pagetop