あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「せーんぱいっ!おはようございます!」

「あ。前田ちゃん、おはよう」


席に着くと、隣の席の前田ちゃんが椅子ごと私に近寄ってきた。


「って、先輩。泣きました?」

「っ、」


一応、小声で言ってくれる前田ちゃんには有難いけど、こんな簡単にバレるとは思わなかった。


「あ。もしかして、秋野さんと喧嘩でもしました?もう、先輩を泣かすなんて許さないんだから!」


喧嘩だと思ってる前田ちゃんは、頬をプクッと膨らませプンスカ怒っていた。


彼もこんな若い可愛い子なら、振らなかったかな…とか、思ってしまう。


「前田ちゃん……」

「はい?」


まだ仕事までは少し時間がある。合コンをセッティングしてくれたのは前田ちゃんだし、ちゃんと報告しなきゃと思った。


「私、登俊に振られたの…」

「え…」


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