貴方が欲しい



この日の夜私はあまり良く寝れなくておにいさまに話しかけた


「ねぇ、おにいさま」


「なに?」


「もうおねえさまは記憶を思い出すことはないの?」



「ヴァンパイアに戻れば記憶も元通りになるよ。」



私はガバッと布団をはいだ


「え!じゃあおねえさまにヴァンパイアに戻ってもらえばいいじゃない!」



「僕だけじゃ不満?」


「え、いやそんなのとない!」



枢は少し悲しそうな顔をすると


「もし優姫が望んでヴァンパイアに戻ったとしても僕達と一緒の純血には戻れない。貴族階級までだ。」




枢は私の頭を撫でると



「それに優姫はあの日のことを忘れて人間として生きた方が幸せ何じゃないかな?お母様もそう思って自分の命を使って人間にしたんだ。」



「じゃあおねえさまは今のままでいることの方が幸せになるのかな?」





「多分、ね」





「そっか、」





私はこの日におねえさま、おかあさま、おとうさまを失った



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