貴方が欲しい
あの日私はあの後枢に連れられ屋敷の玄関に行った



「枢おにいさま?そとからすっごいおとがしてるよ?それにおとうさまはどこ?」


子供ながらにすごく不安になったことを覚えている



「大丈夫だよ。瑠璃は、僕が守るから…」


「ありがとう。おにいさま!」


「瑠璃、今から外にちょっと行ってくるから瑠璃はここで大人しく待っていてくれるかな?」




「うん!瑠璃がんばるね!」




「偉いね。瑠璃、じゃあまってて」と枢おにいさまは玄関を開けて外へ行ってしまった



数十分すると枢は凄い血をつけて戻ってきた



「どうしたの?!おにいさま!」


「心配しないで…これは僕のじゃないから…」



「それならよかったぁ、どうしたの?こんなに?」



枢は悲しそうな顔をすると「後で話すね」と教えてくれなかった



「今から優姫を探しに行くから付いてきてくれるかな?」




「おねえさまを?いくいく!」


私は枢の背中に飛び乗り、しがみついた


「行こうか…」私は枢と共にお屋敷をでた




今は冬で、森の中ということもあって外は雪が降っていた



「さむいね、おにいさま」

私は背中にしっかりとくっついていた


「僕は、瑠璃がいるから寒くないよ」



「えへへっ/////」



しばらく雪の中を歩いていると





「迷子かね?お嬢さん。血を吸ってもいいかね?」




見知らぬヴァンパイアの声がした



そのヴァンパイアの前には後ずさりをする女の子が見えた


「おねえさまだ!」



すでにヴァンパイアはおねえさまをつかんで首に顔を近づけようとしていた



「や、やだ…」


おねえさまは助けを求めている





ドッ




その瞬間鈍い音がなった




「ヴァンパイアの面汚しが…」



わぁ

私はおにいさまの背中からすごいすごいをした


「瑠璃?血は飛ばなかった?」



「大丈夫!」




おにいさまは私に確認をとると「大丈夫?」と私を背中にくっつけたままおねえさまに声をかけ、手を差し伸べた



おねえさまが出した手は震えていた



その後、私と枢でゆうきを黒主灰閻の元へ連れていった



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