理想は、朝起きたら隣に。
こんな恰好で。
そう思うと恥ずかしくて全身が茹でタコみたいに真っ赤になった。
「ここから見ると、何も着てないみたいで凄いな」
「は、はあ? 馬鹿じゃないですか」
「なんで敬語」
彼は上機嫌で、にやにやしてる。
昨日、結婚式用に来たフォーマルドレスに合わせてストラップレスブラを着用していたから、肩からヒモがないので確かに布団を纏えば何も着けてないように見えるかもしれない。
だけど、――今はそんなこと問題じゃないじゃない。
「出ていって」
じわりと涙が浮かぶと、彼は笑顔を引っ込めた。
「酔って潰れた美春を此処まで運んだのは俺なんだけど」
そう言って完全に置き上がった慶斗は、上半身裸で下着のみだった。
小さく悲鳴を呑み込んだ私に、小さく溜息を吐いた。
「あのさ、スーツがしわになるから脱いだだけ」
「なんで私も脱いでるの?」
おずおずと聞くと、彼は目を細めた。
けれど顔は笑っていなかった。
「なんでだと思う?」