理想は、朝起きたら隣に。

「誤解じゃない。6年も離れていた間にできた壁だよ」

私がそう言うと、彼の目が鋭くなった。

「そんなに警戒されたり、距離を取られるとうまく言えなくなるから止めて欲しい」

「弱気な発言もできるんだ」

「そうだな。君のその首筋から見える痕を見せつけられると、弱腰になってしまう」


「私の首筋?」

何のことだか分からず、首を傾げる。

すると彼は自分の首を左上から右下に指先でなぞった。


「そこ」
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