理想は、朝起きたら隣に。
「そうだな。あの馬鹿と一緒のことをして、美春ちゃんみたいな美人を泣かせたくないもんな」
うんうんと頷いた後、大口でランチを食べ始めた。
その顔がちょっと幼くて可愛いとさえ思える。
「写メ撮ってもいいですか?」
「うん? あ、慶斗に?」
「いいえ。昨日の友達たちに。もしかしたら林田さんに会いたいって来るかなって」
「おおおお!女神よ! 美春ちゃんの友達なら是非に」
キメ顔をして食べる写メまで撮らせてもらい、グループに送信するとすぐに皆から返事が来た。
林田さんはどうやら昨日の4次会で一番人気だったらしい。
皆がすぐに来るということになったので、そのままカラオケに行くらしい。
一睡もしていないという林田さんのパワフルさに思わず拍手してしまいそうになった。
その後、皆が来るまでは慶斗の話をちょこちょこ聞いては笑ってしまったけど、到着したら皆の方へ駆けて行った。
「じゃあな。慶斗の頬、思いっきり引っぱたいてやれよ」
「頑張ります」
先にカフェへ向かおうと携帯の時刻を見る。
待ち合わせまでまだ1時間も前だったけれど、今の私には『待っていても彼が来る』という明るい未来がある。
1時間で済むなら待っていられる。
6年間の、自然消滅扱いされた時に比べたら、胸が弾むぐらいだった。