理想は、朝起きたら隣に。
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「いたたたっ」
「どうしたの」
「なんかヒールの底の滑り止めが擦れちゃったみたい。左右のバランスが悪くて足が痛いの」
「えー。座っときなよ」
皆に促され、私の定位置の二次会会場の隅に腰を下ろした。
そのまま根付く勢いで。
二次会は式場から歩いて数分のBARの二階だった。あの式場の定番なのだろうか。壁は全部鏡で取り囲むようにびっしりとソファが並んでいて、二段上がった向こうにビュッフェが並んでいる。
「優衣の旦那さまって総合商社って言ってたよね」
「ふうん」
「美春、興味なさすぎだから」
「あ、なんか飲み物取ってこようよ」
「美春の分も取ってくるね」
「ありがとう」
二次会の出会いに期待しているであろう皆は、声もテンションも高かった。
何人か既に新郎側の男性陣も店の前で煙草を吸っていたので、聞こえたら台無しなのに。
というか、自分が皆と一緒に燃えあがらないのが歯痒い。
何でだろうか。
そろそろいい加減、彼氏がいないと変な時期だというのに。