部長の溺愛に困惑しています。
「まあ良かったじゃん。どんな理由でも採用はしたんだしもう大丈夫だね」

「うん。住む場所も決まりそうだし…マジで安心したよ」


もう狭いカプセルホテルになんて泊まらなくていいんだ!


私の心は晴れ晴れしていた。







その日午後。

明咲と大家さんに会いに行き、私の入居が決まるとすぐに母に連絡を入れた。

散々と小言を言われたが最後には「頑張りなさい」と言ってくれた。



そして一週間後。

私の再就職先の初めての出勤日。






「う、わぁ…」


目の前の大きなビルに圧倒してしまう。


都内ならどこにでもあるような高層ビルだが、色合いや雰囲気がどこかおしゃれな気がして入るのさえ緊張する。

着慣れないスーツに身を包み、私は息をゴクリと飲んだ後ビルの中に足を踏み入れた…



ビルの中に漂う香水のような香りを嗅ぎ、通されたのは営業部と書かれたオフィス。
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