部長の溺愛に困惑しています。

伸びて来た岡田さんの手を軽く引いた後、私は思いっきり彼の腹を拳で殴った。




「ぅ…」


不意打ちの岡田さんは床に倒れ込むとお腹を押さえて下を俯く。






「誰があんたなんかの相手になるかっつーの！！園子や他の子の気持ち少しは考えろ！」


今やっと気がついた。

園子が時々岡田さんを見つめる目線や、歓迎会…

あの子が岡田さんに対する気持ち…今やっと知ったよ。


園子のことだから、きっと一途にずっと思ってひとりで考えたんだろうね。

こんなクズ野郎でも…きっと一度好きになっちゃったんだから嫌いになれなくて苦しいんだろうな。






「ふ、アハハハ…」


突然笑い始める岡田さんを、私は冷ややかな目で見下ろしながら見つめた。