部長の溺愛に困惑しています。
怖い顔をしたあとに少し悲しい表情を見せた彼に、私は目を離せなくなってしまった。

今のはふざけているのでも冗談ぽくもなく、本当の彼を見たような気がしたからだ。


なんとなくそんなふうに感じていると、岡田さんは聞き返してもいないのに話し始めた。








「昔…幼馴染みと付き合ってたんだ。ガキの頃から一緒にいた奴と高校になって恋人同士になって…俺はそいつのことずっと好きだったから嬉しくってさ…将来は結婚するんだって勝手に決めてた」


彼の口から「結婚」というフレーズを聞くと、まるでおとぎ話みたいで全く実感がない。

だからこそリアルを感じた。

その子と本気で付き合ってたんだ。






「でもある日浮気されて~…理由聞いて問い詰めたら、昔から知ってる俺なんかと付き合ってても刺激がないってふられたんだよね」
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