部長の溺愛に困惑しています。
さらっとそう言って私に背を向ける部長を、私はとっさに腕を掴んで引き止めた。




「…何だ?」


どこか冷たい態度の部長。

まだ怒っているみたいだ。





「あ、えっと…」

「仕事がたまってる。早く戻らないと」

「…」


掴んでいた手を離すと、部長は私にまた顔を近づけて耳元に近づいた。そして…







「お前からのキスを待ってる」

「へ!?」


少しくすぐったい声のトーンで言うと、部長はいたずらっ子のようにクスッと笑った。

私の顔は真っ赤になり熱をおびている。





私からキスすれば機嫌が直るってこと?

そんなこと出来ないよっ

てゆーかなんで私がキスなんかしなきゃいけないのさ!





「じゃ、そういうことで」

「あ、部長!」
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