部長の溺愛に困惑しています。
「大丈夫か?立てるか?」

「はい…」


自販機からほど近い距離の方向がなんとなくざわついていて、私はそこに目をやった。


そして目に飛び込んで来たのは…森崎係長が部長に抱きつく光景…

彼女はぐったりとしていて顔色がすごく悪かった。






「よし。誰か医者に連れて行ってくれ」


フラフラして歩けない様子の森崎さんをお姫様抱っこして抱え、部長は慌しく私の横を横切った。


私の方を一度も見なかった。

当たり前。

緊急時だもん…


でも…

部長に寄り添って最後は抱えられていた森崎さんを見て、胸がズキズキ痛い。


私って最低な女だ。








「…係長朝から体調悪かったみたいだよ」

「そう…」


私に気を使ってなぐさめるように横に並ぶ園子。

園子がいてくれて良かった。
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