部長の溺愛に困惑しています。
森崎さんに追い出されるようにしてその場から離れた私は、最後に一瞬後ろを振り返ると…

今日は客のつもりで来たという森崎さんが、あのお客様の接客をしていた。


きっと私の接客を遠くからどこかで見ていて、見ていられなくなってヘルプとして入ったんだろう…

そう察した私は余計にへこんだ。



その後のことはあまり覚えていない。

私は違う化粧品ブランドの美容部員にまたヘルプとして入ったが、その日は一つも商品を売ることができなかった。



イベント終了後も社員やスタッフ達は各々打ち上げやら会食等の話が聞こえて来たけれど、私は逃げるように会場を後にした。











「チーズバーガーのポテトのセットとフィッシュバーガーと照り焼きバーガーを単品で一つずつ。あとアップルパイとチキンナゲット下さい」

「はい。お飲み物はどうされますか?」

「コーラで。…あとシェイクのバニラ味下さい」

「かしこまりました」
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