部長の溺愛に困惑しています。
その日の夕方。

ファーストフード店に立ち寄った私はとても1人分とは思えない程の量を買い、トレーを2つ持って店内の隅っこのテーブルに腰掛けた。

いつも食べる量も料金も大幅に超えた物を一口ずつかじり、飲み物もとりあえず一口飲む。


綺麗とは言えないような残骸の食事を乱暴に避け、私は店内の窓から都内の街をぼんやりと眺めていた。



周りにいる学生や20代前半の人達の騒がしい声も、今日の私は特に気にならなかった。

いつもは耳障りな音も声も…今はないに等しい。

それくらい今日の私は落ちていたのだ。





別にたいしたことない。

あのお客様からクレームはなかったようだし…

まあ、きっと森崎さんがうまくやってくれたんだろうけど。


美容部員なんて私の本職じゃないんだから。

私はサクラ。

サクラでしょ、ただの。
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