部長の溺愛に困惑しています。

「本当素直じゃないな」


最後にそう部長がつぶやくと、スマホから怒るような声が聞こえて電話は切れたようだった。





「…ったく」


部長はスマホをポケットにしまうと、隣にいる私の方をクルッと向いた。





「森崎からだったよ」

「…そうですか」


内心「やっぱり」と思った私は、きっと私のミスのことで叱られるんだと覚悟を決めた。






「おめでとう。お前の正社員への出世が決まりそうだぞ」

「へっ！？」


思い浮かべていた言葉とは全く違うことを言われた私は、なんともマヌケな声を出してしまう。





「ど、ということですか！？」