部長の溺愛に困惑しています。
「何よりも俺の目の届くところに置いておきたかったんだ。サクラだと少し距離があるからな」

「…」


急に話がズレたが、嬉しいことを言われてつい顔が赤くなる。






「数年先までダメかって諦めてたんだが、今日のイベントでのお前を見て上司がOKしてくれたそうだ」

「え?今日のって…私ミスしたんですよ?あんな失礼なことをして……」


思い返してみると私の接客は最悪だ。

あんなのクレームされたって当然なのに…





「確かにそうだよな。でも森崎が接客を代わった後で…あの客は何て言ってたと思う?」


私にそう問うと同時に公園に着き、私達は薄暗い中ベンチに腰掛けた。

部長から目が離せない私は彼をじっと見つめる。






「「あの子の言う通りよね」って笑ってたそうだよ」


それを聞いて驚いた。

そんなこと言うそうな女性には見えなかったからだ。
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