部長の溺愛に困惑しています。
ピンポーン…

ピンポーン…ピンポーン……



若干イライラした状態でインターフォンを鳴らすと、慌てた様子でドアがガチャっと開いた。







「何?あんた随分早いんじゃないの?」

「いいから入るよ」


出てきたのは私の母親で、エプロンをつけてまた少しぽっちゃりしたように思える。





「ったく…たまに帰って来たと思ったらちっとも変わってないのね。結構いいところに就職出来たって聞いたから少しはまともになったと思ってたのに」


久しぶりに娘に会ったというのに小言を言い出す母、ブツブツ言いながらキッチンで夕食の用意を始めた。





「うるさいな。それより私のアルバムどこにあるっけ?」

「は?寝室のタンスの中だけど…ちょっともうご飯なんだからあんまり散らかさないでよ!」


母の言葉を無視するように寝室に向かう私は、タンスの中から無数にあるアルバムを引っ張り出した。
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