部長の溺愛に困惑しています。
「違う…違う………」


ペラペラとめくって出てくる写真を見ては置きの繰り返し。

私が見たいのはもっと小さい頃…






「あった…!」


手を止めた目線の先にあるアルバムは、かなり古くて年季が入ったものだった。

しかしその一ページ目には、3歳くらいの私と私よりも年上のお兄ちゃんが写った写真。






「玲兄に…」


私はその年上のお兄ちゃんが写った写真を、上から指でなぞる。






「あら、玲くんじゃない。懐かしい~」

「ぎゃ!」


後ろから突然現れた母は、私の見ているアルバムを取り上げると懐かしむように眺める。





「…お母さん部長………いや、玲兄にのこと覚えてる?」
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