部長の溺愛に困惑しています。
父と笑いあって会話したあと両親は着替えをしに寝室の方へ…

リビングで私と部長だけになると、彼は私の方を向きニコッと微笑んだ。





「わ、笑い事じゃないですよっ!どーしたんですか急にっ」

「いや…お前が今日実家に帰るって言ってたから、おじさんとおばさんに挨拶しに。マンションの下でちょうどおじさんに会ったんだ」


軽い感じで言うと、部長は懐かしむような顔をして部屋の中を眺めていた。





「連絡してくださいよ。突然来たらびっくりします…」

「悪いな」

「でもどうしてうちの親に挨拶なんて?」


いくらなんでも早すぎるよね。

ちょっと…いやかなり嬉しい行為ではあるけど…





「小学校低学年でアメリカに引越して、18歳の時に日本に戻って来たんだけど…その時に一度挨拶に来ようとは思ってたんだ。でも親戚でもないんでもない俺がそんな図々しいことしていいか悩んだし、それにお前は俺のことなんて絶対覚えてないと思ったからやめたんだ」

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