部長の溺愛に困惑しています。

「ハハ。ではせっかくなのでご馳走になります」

「ここに座りなさい」


そう言って父の隣の椅子に座る部長は、早速ビールを注がれて飲まされていた。



実家のリビングのテーブルに部長が座って、お父さんとビールを飲んでるなんて…

不思議だけどとても嬉しい光景。





「ちょっとそこのスーパーでお刺身買ってきて。一番いいやつね」

「うん、わかった」


私は母の手伝いに追われ、部長と話す機会はあまりないままあっという間に数時間が過ぎた。






「そうそう。彩蓮はよく玲くんの家に遊びに行って帰りたくないって泣いてたわよねー」


ようやく自分も食事にありつける頃には、父は完全に酔っ払っていて私と母と部長の３人での昔話トーク。





「そうでしたね」


部長はお酒に強いのかあまり酔っ払った様子はなく、母の作ったおかずをつまみにビールを飲んでいる。