部長の溺愛に困惑しています。
「ふぅ…」


体を重ねた後はお互い横に向かい合って裸のまま毛布を被ってベットに寝転がり、何も話さない状態が続く。


よくドラマとかでは終わった後は寝ちゃって、起きたらイチャイチャみたいな雰囲気なんだろうけど…

私は全く眠れそうにないよ…






「彩蓮」

「ん?」


しばらく沈黙が続いた後部長は私をぎゅと抱きしめる。

私は彼の胸板に顔を埋めて様子を伺う。






「もう一回俺の名前呼んで」

「へ?」

「さっき呼んでたじゃん。あれ良かったなぁと思って」

「なっ…!」


顔を上げて確認すると彼はでれっとした締りのない顔をしていて、私はムッとして部長から離れる。





「…い、いやらしいっ」

「いいじゃん。どうせもうそろそろ終電無くなるんだし今日はここに泊まろう。それに…」


私の手を掴むと、部長は真剣な顔をして私を真っ直ぐ見つめた。




「ルームシェアだし家に帰ったらそんなにできないから」


そう言ってニコッと微笑む部長はどこか色っぽくて、そんな顔をされたら断れないと思った。

どちらにしても、今日は眠れなそうだ…
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