部長の溺愛に困惑しています。
部長はこっちにゆっくり近づくと、私の肩にポンと自分の手を添え口を開いた。






「来年の春…正式にお前を営業に迎え入れることに決まった」

「えっ!本当ですか!?」


驚いた私の声は資料室に響き、ハッと気づいた私はすぐに手で口を押さえる。





「時間がかかってしまって済まない」

「いいえ、そんなことは…」


嬉しい。

もうすぐ私…社員になれるんだ!





「ありがとうございました!」

「…ああ。でもお前の営業入りを上に急かしたのは俺じゃなくて森崎だ」

「え?」


森崎さんが…?




「この前の化粧品イベントの日から結構間があいたから、上にどうなってるだって講義したそだよ。それで来年の新入社員の採用の中にお前を入れることになったんだよ」


部長はハハと笑った後でまた続けた。






「森崎ってば相当お前のこと気に入ってるんだな。正社員になったら充分に可愛がってもらえよ」

「…はぁ。本当にそうなのかな」


可愛がられてるとは全然思えないんだけど…
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