部長の溺愛に困惑しています。
「ありがとうございました。嬉しい報告聞けて良かったです」

「おいおい。報告はこれだけじゃないぞ」


苦笑いする部長に私は「え?」と止まると、彼はスーツのポケットに手を入れて続けた。




「商品開発部に親しくしている奴がいるんだけど、そいつとさっき会ってきたんだ…」


そう言うと部長はポケットに入れていた手を出すと、手に何か持っているのに気がつく。





「裸のままでごめん。早くお前に見せたくってさ」


部長に差し出されたのは、花の形をあしらった手のひらサイズのコンパクトのような物が2つ。




「これは?」


それを手に取って一つを開けてみると、中はピンク系の色のアイシャドウになっていた。





「綺麗な色…」

「だろ?無理して頼んでつくってもらったんだ。世界に一つだけのオーダーメイドだ」

「へ?」


世界にひとつだけ?




「お前をイメージしてつくったんだ。その花…なんだかわかるか?」

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