部長の溺愛に困惑しています。
私を見るなりニコッと微笑む岡田さんは、馴れ馴れしい感じでこっちに近づき私の髪を触ってきた。





「髪乱れてるよ。せっかくの可愛い顔が台無しだね」

「あ、ありがとうございます…」


自然と顔が引きつってしまう…



部長から岡田さんの裏の顔を聞いてしまった手前、彼を見る私の目も今朝とは全く違うもの。

岡田さんをまるで獣みたいに見てしまうし、大袈裟だがかなり警戒してる自分もいる…



悪いけど、私は岡田さんには騙されませんからね。

新人キラーだかなんだか知らないけど、そういうの本当に無理なので…






「気をつけてね。また明日」

「…お疲れ様でした。失礼します」


ぎこちない挨拶をして岡田さんと別れ、小走りでエレベーターに向かう。



なるべく関わらないようにしよう…

めんどくさい事に巻き込まれたくないしね。



エレベーターに着くとボタンを押して来るのを待つと、後ろから足音が聞こえて来てふと目を向けた。






「あ、お疲れ様です!」

「お疲れ。今帰りか?」


部長も帰りなのか仕事用のカバンをもっていて、私の横で立ち止まった。



偶然だな…

帰りが部長と一緒なんてラッキー!


岡田さんとじゃ不安だけど、部長となら安心だし嬉しいもんね。
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