部長の溺愛に困惑しています。
私の質問に部長は首を傾げて考える仕草をする。




何この人っ…

からかってるわけ!?


まるで何も無かったみたいな顔してるし…







「したかったから…かな」


「は…?」



そうボソッと言った後部長は優しく微笑んで私に背を向けると、会社から出て行った。



私は部長の背中が見えなくなるまでその場から動けず、

通り過ぎる社員達が私を変な目で見ている事にも気づかなかった。




まだキスの感触が残ってる…


心臓だってバクバクいってるし…


震えも止まらない…





私の初キスはこんな形で幕を閉じた。


もっとロマンチックだと思っていたのに…



部長の上がりきったメーターは一気に下がり、私は彼の見る目はがらっと変わったのだった。


そして、

やはりちゃんと考えてから就職先を決めるべきだったと、心からの後悔をして自分を責め続けた。
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