(仮)二人の世界
TAKUMAは、作業を終えると、香夏子に「今日は少し、出かけるので付き合ってくれないかい」と、張りのある声で言うと、シャワーを浴びに行った。香夏子は、片づけを終えた所で、TAKUMAに言われてキョトンとした顔で、「わかったわ~」とさりげなく伝えた。TAKUMAは、カラスの行水かのように終えると、寝室に行き、着替えを済ませて、ソファーに座り、くつろぐ。香夏子はTAKUMAの跡に、シャワーを浴びて、着替えるために寝室に行き、TAKUMAを呼び、着付けを手伝ってもらい、着替えを済ませ、いつものように化粧をして、「ありがとう」とTAKUMAの前に立ち、呟くと、TAKUMAは、「いいや~、こちらこそ良いものみせてもらったよ」と笑顔で伝え、香夏子に「じゃあ、行こうか!」と香夏子の腰に手を添えて、玄関に導く。(シトシト雨が降るこのような日に…)と、香夏子は思うが、(TAKUMAと二人ならば、きっと…)と、暖かな気持ちと安心感が香夏子に身体に染み渡るのだ。二人は小雨が降る街道をぴったりと寄り添うように雨傘を指し、哲学の道を上がる、二人の右わきには疎水が流れている、小雨の割には少しばかり嵩もあり、いきよいよく流れている。その音を聞きながら、二人は、はなりはなりと歩いいると二人はを覆いかぶさるように桜の木々たちが川に沿って並んでいる。本来時期的には、もう桜散り、枯れ葉色に染まっているはずに桜の木に少しばかり、くるい咲きというのだろうか!数個の桜が咲いてた。TAKUMAは立ち止まり、数個咲く桜の近くで、止まり「香夏子みてごらん!」TAKUMAは、香夏子を引き寄せて桜が咲く枝をしなやかな指で指す。見上げる香夏子からは小さな歓声が零れた。「可愛いわねぇ~温かい日々が続いてるから喜んでいるのね~」と香夏子。TAKUMAは香夏子の腰をぎゅっと寄せ片手をおくみにすぅーっと入れて、香夏子の耳元で、「こちらも咲き喜んでくれるかなぁ~」と襦袢の奥の蜜林を撫でると「いやぁん」と香夏子は喘ぎ、TAKUMAを睨みつけている。…でも、頬は赤みを帯びてとても愛らしい顔をTAKUMAに見せるのだ。(まったく~、この子は、偶然か!必然か!…男心をくすぐる事を・・・)と優しい眼差しで見つめて、ぐにゅっと、おくみに入れた手の指を襦袢に押し当てて、香夏子の顔をじっと見つめて…数秒…おくみから、手を出して、「さぁ、行こうか!」と香夏子に囁くTAKUMA。(いやだわぁ~、TAKUMAさん、脱衣所にあった着物しか、着ていない事を知っているのにぃ~、感じちゃう私って…悪い人なのかしら~はぁ)と、ぎゅっと手をつなぎ先行くTAKUMAの背中を見つめながら、香夏子は想い更けてしまう。二人はぴったりと寄り添い歩く。京都は本州の割には、寒さがある。全国の方々に言わせれば、イヤイヤ!!…って話であろうが。京都市内でもほんまに底冷えってすごいなぁ~と、京都府だが思う事しばしである。TAKUMAと香夏子の二人は哲学の道から、一本辺り西の鹿ケ谷通りに行くと蔓が絡まっている洋館がある「GOSPEL」というお店に着き、2階に上がり店内に入った。落ちついたアンティーク調で少し明るめ店内には、三組のお客様が日が射す窓辺のテーブル席に座り、楽し気に話をしている。TAKUMAは、マスターに話かけてマスターも頷くと二人を、奥側にある予約のテーブル席に招いた。TAKUMAが奥の窓側に座るので、一瞬香夏子は戸惑い(どうしよう)と思うとTAKUMAが「おいで!」と手を差し出したので、隣座った。「ここも、久しぶりだろう」とTAKUMA。「そうね~」と微笑み香夏子。TAKUMAは、香夏子の腿に手をそっと置き、「実は今日ねぇ~、あいつが彼女紹介したいからってここで会おうって事になっているだ!」と真剣な眼差しでTAKUMAは、香夏子にいった。香夏子はびっくりした顔で「いつ?そんな話したの?」とTAKUMAに迫った。「ごめん、朝だよ」と笑顔でいうTAKUMA。「もう、大丈夫だよ!あいつも彼女の事で話があるっていうし、もう…」と、香夏子はTAKUMAの顔が見れないでいたが「そう」と呟いた。
この店は、30年代~40年代の音楽が店内に流れている今でもLPで流れる音が、穏やかな気分にしてくれる、マスターとTAKUMAの話では、今は夕方には閉するらしいが、私達が居た頃は23時まで、楽しい時間を過ごした事を思い出す上、貸し切りも出来るので、よく、あの洋館住むメンバーで、企画し、色々とイベントをやっていた。TAKUMA自身は、すでに、プロの作家デビューをしていたらしい。私は京大の女友達の誘いで、参加もしていた。あの頃は、キテレツな研究ばかりしているイケメンの男子や師匠みたく物知りで話し上手な男子、明るく優しい大食いの男子や綺麗で華やかな友達と男子顔負けの男っぷりの女子などたくさんのメンバーとワイワイ騒いでいたのだ。そんな中にアイツ(高野紘)が、いたが、女子たちにはあまり印象がなくて、大人しい感じの男子だった。
でも、香夏子ははじめは、同じ感覚だったが、会うたびに、少しずつ怖さを覚えた頃に・・・・・あの出来事である!!…香夏子は身体中が震えだすのを感じては必至にこらえていた(アイツは、TAKUMAさんとは大の仲良しであったのだ…もしかしたら、いまでも)と思うとTAKUMAに今の心情を伝える事が阻まれてしまった。

陽射し指すテーブル席に、ぼんやりしている橋本がグラスを揺らしながら、「師匠~、昼から勉強なんてすごいなぁ~」と囁いた。真横に座る師匠は、分厚い本を持ちカップにあるコーヒーを飲み「きみは、いつ勉強するんだね」とめがね越しから、橋本をチラリと見つめると、無邪気な笑顔で、「ちゃんとするよ!するときにはね!」とウインクをしてみせた。「僕、このチキンカレー好きなんだよね~」とニコニコしながら、パクパク食べる橋本。師匠の怖い視線をそらし、必死に食べては、師匠にニコリとする橋本。師匠はドキっとしてしまい、「な、なんて顔するのだよ」とずれてしまった眼鏡をかけなおし、姿勢を整えた。咳払いをして師匠が、橋本に話かけようとした時に、店の扉が開いた。外から入ってきたのが、TAKUMAと香夏子であった。おもわず師匠は本で、自身の顔を隠してしまった。そんな師匠の様子をじっと橋本は見つめていたが…「へぇ~、師匠もそんな行動するんだね~」と不敵な笑みをした。「い、否、これはだなぁ~、気を使ってだなぁ~、お忍びで来ている事だろうからな!」と本に目をやり、ふてくされた顔をしては耳が真っ赤であった。「師匠は、TAKUMAさんとはどんな関係なの?」と橋本はまじめな顔で、師匠に問う。(は、橋本、お前何を?!)と橋本の真剣な眼差しの前では、師匠も(まじめに答えるべきだろうか!?)と少しばかり悩んでしまったが、(否、TAKUMAとはただの友達じゃないか!それ以上の仲には…)と悲しく心が痛んだ。「ただの友達だよ!、なんでそんな事聞くのかい?」と師匠は、橋本をじっと見つめてコーヒーを飲む。「なんかねぇ~、普通の友達って感じじゃないっていうかぁ~?!よくわかんないけど、ちょっとしたやきもちかな」ととびっきりの笑顔で橋本は答えた。師匠は「ふっ」と笑みを見せて、橋本の頭を撫でた。(僕には今、こんなに愛おしい人がいるじゃないか?)と師匠は橋本を見つめて微笑む。

TAKUMAは香夏子自身の肩に寄り添わせて「僕は大丈夫だけど、香夏子はまだ怖いかい!」と、とても心地よい声で問う。「う、うん少しね」と香夏子は頬強張れせながらも微笑んだ。TAKUMAは空いてある片手を香夏子のおくみにそっと手を指し入れて、香夏子の耳をペロリと舐める。おくみに入れた手を奥へ進ませて密林近くで、人差し指と中指で襦袢をぐいっと押し密林をざわつかせている「い、嫌ぁ~、こんな処で、やめてぁ~TAKUMAさん、うっ」と香夏子は両脚を震わせて火照りだす身体を引き締めようと必死だが、TAKUMAの指が獣のように、動かすので、次第に香夏子はとろんとした顔になるとTAKUMAを見つめていた。店内では、クラシックの音楽がかかっていた二人が来た時よりもお客さんも増えて、少しばかりにぎやかである。しかし、二人のテーブルの周りには、お客は来ず、陽射しが差し込む窓側の席や中央の席に集中している分TAKUMAは香夏子をだた見つめあいながらも、悦を楽しんでいる様で、香夏子は窓にうっすらと映る自身の顔をぼんやり見ているうちに喜んでいる自分に気が付いた(あぁ~TAKUMAはさぁ~ん)TAKUMAは喘ぎを堪えながらも紅顔な香夏子に「だいぶんと、しっとりしているじゃないかぁ~」と香夏子の耳元で囁くとTAKUMA自身の逸物がある辺りを香夏子の手を沿わせて再び香夏子の肩に手を置くと、しっとりしている襦袢をよけて密林の奥へと指で攻めたててゆくので香夏子は思わず身体が飛び跳ねようとするが・・・TAKUMAの腕の手ががっしりと肩に乗っているために立ち上がれない。「香夏子、
僕にコーヒーをくれないかい!」と笑みを見せていうので、香夏子はカップをとってTAKUMAの口元へと…(TAKUMAさん、はぁ、うごかさないでぇ~、こぼれちゃう)と香夏子は震える手を落ち着かせながら、運ぶと「香夏子!違うでしょう、誰も見てないよ」と言われた(あっ、家でやっているようにって事かしら)と、TAKUMAのコーヒーを自身の口に含ませて、TAKUMAの口へと移してゆく、ゆっくりとTAKUMAの喉がなるのを確認しながら、最後は舌を入れて二人の舌が絡み合う…(あっ、窓に映っているわぁ~、でもなんか、どきどきしちゃってるって…いけないかしらぁ)とゆっくり舌をだした香夏子は真っ赤に頬染めて、俯いた「あぁ」と香夏子を思わず小さく喘いでしまう。そう、TAKUMAの指が奥深くに入り込みかき乱してのだ。「香夏子ぉ~、素敵な顔だね~、僕の好きなねぇ」とTAKUMAは、最後に一押しをすると、香夏子がうなだれてTAKUMAの肩に寄りかかり、香夏子の浅い息がTAKUMAの首や胸に響く。香夏子もTAKUMAの逸物の膨らみと胸の鼓動を耳にして、このテーブルだけが、別の世界に行っていたのだと…店内の音楽とざわめきに気が付くまで・・・数分を要した。
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