⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
「受け止めるさ、君の夫はそんなに小さい男じゃない。
俺は若い日に、飾らない君に恋をしたんだ。
ハッキリ聞かせて?飾らない君の…心を」
彼女は心持ち青い顔をしながらも、小さくうん、と頷いた。
「……わ、分かった。じゃあ言うね?
私…こないだから……アキトさんのこと」
「俺のこと?」
「アナタのことが……」
彼女の額に、細かい汗の粒が浮かんだ。
顔が真っ青だ。
「うん」
「アナタのコトが、
気持ち悪くてたまらないっ!!!!」
溜まっていた鬱屈(もの)を吐き出すように叫ぶと、彼女は脱兎の如く洗面台に向かって駆け出していった……
…………。
飾った言葉が欲しかった。
『男が泣くのは人生3度』
バリバリ体育会系の古い父親に、そういい聞かされて育った俺だったが。
その夜の俺は
一人寝の広いベッドで枕を濡らして夜を明かした。
それからも、彼女の症状はますます悪化していった。
帰宅すれば、無理して俺に抱きつこうとして、真白な顔色でトイレに駆け込む。
ヨロけながらトイレから出、申し訳なさそうに俯く燈子。
「お医者さんにも行ってみたんですけど…」
精神科に行けと一笑に付されたのだと、悲しげに彼女は睫毛を臥せた。
俺は若い日に、飾らない君に恋をしたんだ。
ハッキリ聞かせて?飾らない君の…心を」
彼女は心持ち青い顔をしながらも、小さくうん、と頷いた。
「……わ、分かった。じゃあ言うね?
私…こないだから……アキトさんのこと」
「俺のこと?」
「アナタのことが……」
彼女の額に、細かい汗の粒が浮かんだ。
顔が真っ青だ。
「うん」
「アナタのコトが、
気持ち悪くてたまらないっ!!!!」
溜まっていた鬱屈(もの)を吐き出すように叫ぶと、彼女は脱兎の如く洗面台に向かって駆け出していった……
…………。
飾った言葉が欲しかった。
『男が泣くのは人生3度』
バリバリ体育会系の古い父親に、そういい聞かされて育った俺だったが。
その夜の俺は
一人寝の広いベッドで枕を濡らして夜を明かした。
それからも、彼女の症状はますます悪化していった。
帰宅すれば、無理して俺に抱きつこうとして、真白な顔色でトイレに駆け込む。
ヨロけながらトイレから出、申し訳なさそうに俯く燈子。
「お医者さんにも行ってみたんですけど…」
精神科に行けと一笑に付されたのだと、悲しげに彼女は睫毛を臥せた。