⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
第4話 お散歩デート
熊野と飲んだあの日から数え、2ヶ月ほどがたった11月終わりの頃。
その日、遅くに仕事から帰った俺は、慄然とした。
玄関先で、奥さんが両手を突いて突っ伏していたからだ。
「うう…」
「どうした燈子!」
俺は慌てて駆け寄った。
「ハラがヤバイのか?ガキが出そうなのか?
あああ…どうしよう、早く病院に…」
ウロウロと狼狽える俺のコートの裾を引っ張り、燈子が足下から弱々しい声を上げた。
「違うんですよぉ~、秋人サン」
「え?」
食後のリビング。
「実はね、今日ニンプさんの定期検診に行ってきたんですよ……」
ソファに腰かけた彼女は、ルームパンツの裾を上げた。
「ね?ムクんでるでしょう?」
「ホントだ……」
彼女の脛をプニッと圧してみると、確かにくっきりとその痕が残る。
「面白いな」
物珍しさに何回もプニプニしていると、
「ちょっと、止めて下さいよ!」
彼女は慌てて裾を下ろしてしまった。
「それで…一体何を打ちひしがれていたんだ?」
「あのね…」