⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
「う~ん、そうですよね…」
確かに彼は、何でも出来すぎるくらいやる人だから、自分自身のコトくらい苦もなくやるに違いない。
「トーコは鈍いから。陣痛きたって絶対分からないからネ。
大神さんは忙しいんだから。もし何かあったら、どうしょうもないでしょ⁉」
里帰りを決めたのは、母親の強い勧めがあったからだ。
どうも私は、母親にさえあまり信用されていないらしい…
女3人の午後の昼下がりは、賑やかしくて、のんびりまったりした時間。
…いいなあ、こういうの。
東京のマンションに一人でいるのとは大違いだ。
こんなに家でのんびりとしたのは、一体いつ頃までだっただろうか。
ふと、気になった。
「ねぇ。由梨子義姉さんは、実家に帰ろうとは思わなかったの?」
「え…」
昼メロのストーリーを追うのに夢中で、会話を適当に聞き流していた由梨子姉さんは、突然鋭く反応した。
恥ずかしそうに赤らんだ頬を両手で覆い隠す。
「……私ね、蒼士クン(兄)と離れ離れになるなんて、考えられないもの~」
「ホー、離れ……離れ」
私が顔色を失ったのを察したのか、母親が慌ててフォローを入れた。
確かに彼は、何でも出来すぎるくらいやる人だから、自分自身のコトくらい苦もなくやるに違いない。
「トーコは鈍いから。陣痛きたって絶対分からないからネ。
大神さんは忙しいんだから。もし何かあったら、どうしょうもないでしょ⁉」
里帰りを決めたのは、母親の強い勧めがあったからだ。
どうも私は、母親にさえあまり信用されていないらしい…
女3人の午後の昼下がりは、賑やかしくて、のんびりまったりした時間。
…いいなあ、こういうの。
東京のマンションに一人でいるのとは大違いだ。
こんなに家でのんびりとしたのは、一体いつ頃までだっただろうか。
ふと、気になった。
「ねぇ。由梨子義姉さんは、実家に帰ろうとは思わなかったの?」
「え…」
昼メロのストーリーを追うのに夢中で、会話を適当に聞き流していた由梨子姉さんは、突然鋭く反応した。
恥ずかしそうに赤らんだ頬を両手で覆い隠す。
「……私ね、蒼士クン(兄)と離れ離れになるなんて、考えられないもの~」
「ホー、離れ……離れ」
私が顔色を失ったのを察したのか、母親が慌ててフォローを入れた。