⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
「ただいまあ」
地元の役場に勤めている父と兄が戻ってくると、昔と同じに、賑やかな夕食が始まった。
私は流れのままに食後の居間で、団欒の時を過ごしていた。
だが……
「ゆりちゃん、今日も大丈夫だった?」
「うん、平気。蒼士クンに……早く会いたかった」
「ゆりちゃん…ボクもだよ!」
「蒼士クン!」
ひしと抱き合う。
「………」
面白くない。
この1週間というもの、毎日のように見せられているこの光景が、だ。
父と母は慣れっこなのか、めいめい自分のコトをやっている。
全く……
いいトシしてあんなにイチャついて、兄ちゃん達は恥ずかしくないんだろうか。
私なら、絶対にあんなマネはしないんだけどね。
ジットリ睨んだ眼差しに気付いたのか、兄はハハハと頭を掻いた。
「ゴメンよトーコ。ホラ見て、ゆりちゃん。トーコが嫉妬しちゃってる」
「やだぁ、ゴメンね?トーコちゃん」
「…別に。ごユックリどうぞ」
いいもん、別に妬いてないし。
私だって、今からカレに電話するんだもん。
苦々しい気分のまま、部屋に戻るため立ち上がった私は、オットットとバランスを整える。
秋人サンなら“大丈夫か?”って支えてくれるんだろうな……
地元の役場に勤めている父と兄が戻ってくると、昔と同じに、賑やかな夕食が始まった。
私は流れのままに食後の居間で、団欒の時を過ごしていた。
だが……
「ゆりちゃん、今日も大丈夫だった?」
「うん、平気。蒼士クンに……早く会いたかった」
「ゆりちゃん…ボクもだよ!」
「蒼士クン!」
ひしと抱き合う。
「………」
面白くない。
この1週間というもの、毎日のように見せられているこの光景が、だ。
父と母は慣れっこなのか、めいめい自分のコトをやっている。
全く……
いいトシしてあんなにイチャついて、兄ちゃん達は恥ずかしくないんだろうか。
私なら、絶対にあんなマネはしないんだけどね。
ジットリ睨んだ眼差しに気付いたのか、兄はハハハと頭を掻いた。
「ゴメンよトーコ。ホラ見て、ゆりちゃん。トーコが嫉妬しちゃってる」
「やだぁ、ゴメンね?トーコちゃん」
「…別に。ごユックリどうぞ」
いいもん、別に妬いてないし。
私だって、今からカレに電話するんだもん。
苦々しい気分のまま、部屋に戻るため立ち上がった私は、オットットとバランスを整える。
秋人サンなら“大丈夫か?”って支えてくれるんだろうな……