⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
ついささくれた、意地悪な気持ちで兄に問いかけた。
「何でさ、兄ちゃんは、義姉さんを実家に返したげないの?
いくら自分が寂しいからって。
義姉さんだって、久しぶりにさ…」
二人は目を見合わせた。
「う~ん、何て言うかさ…」
兄は私のそんな気分にはまるで気づかず、優しく微笑んだ。
「出来たって判った時に、2人で話して決めたんだ。生まれる時やすぐの時、大変だって言うけど。俺、頼りないからさ。
“大変” 味わっとかないと
ちゃんとパパになれない気がするし…」
兄は義姉と両手を握り合い、目を輝かせて遠くを見つめた。
「だからこそ、2人で力を合わせて乗り切ろうって。そういう時こそ夫婦は一緒でなくちゃって、ね~」
“ね~”っと義姉が調子を合わせる。
「……一緒…」
私はフラリと歩き出した。
洗い物をしていた母親が、心配そうに振り返った。
「それに…うちには母ちゃんも父ちゃんも居てくれてるしね……って、アレ?聞いてる?トーコ?」
「…オヤスミ」
「何でさ、兄ちゃんは、義姉さんを実家に返したげないの?
いくら自分が寂しいからって。
義姉さんだって、久しぶりにさ…」
二人は目を見合わせた。
「う~ん、何て言うかさ…」
兄は私のそんな気分にはまるで気づかず、優しく微笑んだ。
「出来たって判った時に、2人で話して決めたんだ。生まれる時やすぐの時、大変だって言うけど。俺、頼りないからさ。
“大変” 味わっとかないと
ちゃんとパパになれない気がするし…」
兄は義姉と両手を握り合い、目を輝かせて遠くを見つめた。
「だからこそ、2人で力を合わせて乗り切ろうって。そういう時こそ夫婦は一緒でなくちゃって、ね~」
“ね~”っと義姉が調子を合わせる。
「……一緒…」
私はフラリと歩き出した。
洗い物をしていた母親が、心配そうに振り返った。
「それに…うちには母ちゃんも父ちゃんも居てくれてるしね……って、アレ?聞いてる?トーコ?」
「…オヤスミ」