⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
極めつけが……キタ。
ドアホンの画面でニコニコと、手を振っている板倉愛美を、半ばウンザリしながら覗く。
年が明けてからは、とんと姿を見せなかったんだが…
「何か用?」
なるたけ素っ気なくドアホンに向かって返す。
「上着よ、ウ・ワ・ギ。困ってたでしょ?返しに来てあげたの!」
いやに明るい甲高い声がインターホン越しに響く。
「別に困ってない。ポストにでも入れといてくれたら後で取りにいく。だから……」
“帰ってくれないか”、言おうとすると、
「ね~え、入れてよ。奥さん、居ないんでしょ?……あることないこと、言っちゃおっかな~?」
不穏な台詞を吐きやがる。
「…好きにすればいい」
何で燈子が居ないのを知ってるんだ。
通話を一方的に切ろうとした。
が……
「あれ。いいのかな~、ロビーで井戸端会議してる奥さん達いるけど?」
「な…んだと?」
インターホンの位置は昨年から、セキュリティの強化のため、一階のエントランス入り口に変更されている。
「…そこまで行くから、ちょっと待ってなさい」
ドアホンの画面でニコニコと、手を振っている板倉愛美を、半ばウンザリしながら覗く。
年が明けてからは、とんと姿を見せなかったんだが…
「何か用?」
なるたけ素っ気なくドアホンに向かって返す。
「上着よ、ウ・ワ・ギ。困ってたでしょ?返しに来てあげたの!」
いやに明るい甲高い声がインターホン越しに響く。
「別に困ってない。ポストにでも入れといてくれたら後で取りにいく。だから……」
“帰ってくれないか”、言おうとすると、
「ね~え、入れてよ。奥さん、居ないんでしょ?……あることないこと、言っちゃおっかな~?」
不穏な台詞を吐きやがる。
「…好きにすればいい」
何で燈子が居ないのを知ってるんだ。
通話を一方的に切ろうとした。
が……
「あれ。いいのかな~、ロビーで井戸端会議してる奥さん達いるけど?」
「な…んだと?」
インターホンの位置は昨年から、セキュリティの強化のため、一階のエントランス入り口に変更されている。
「…そこまで行くから、ちょっと待ってなさい」