⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
「ふふっ、でも…可愛い。ちゃんとちっちゃな爪がある」
一緒に覗き込んだ花嫁が、小さな手をそっとつつくと、ニコリと笑ってその指をぎゅっと握り返した。
その様子を愛しげに熊野が見つめる。
と、花嫁が不思議そうに首を傾げた。
「あれれ?この子…離さない」
「呆れたな…こんなとこまで父親似かよ」
目を丸くした熊野に、燈子が苦笑いしてこぼす。
「女のヒトじゃないと嫌がって抱っこさせないんですよ」
「…終わってるな……」
どういう意味だ。
熊野がポツリと呟いたトコロで、俺達の後ろに次々と他の招待客が列をなし始めていた。
2人がそちらの対応に追われ始めたので、俺たちは席に戻った。
それからも何かと慌ただしくて、そのまま短い新婚旅行へ向かう彼らとは、ゆっくりと話す時間のないままに、セレモニーは終了し___
終わり際に、その“ありきたりな一言”をやっと告げることができた。
「熊野、幸せにな」
「ったりめーだ」
ふっと笑って肩を叩くと、倍の力で背中を“バン”と叩かれた。
痛い。
まあ奴は近々経営陣に加わるんだろうから、仕事でちょくちょくやり合うことにはなるんだろう…
一緒に覗き込んだ花嫁が、小さな手をそっとつつくと、ニコリと笑ってその指をぎゅっと握り返した。
その様子を愛しげに熊野が見つめる。
と、花嫁が不思議そうに首を傾げた。
「あれれ?この子…離さない」
「呆れたな…こんなとこまで父親似かよ」
目を丸くした熊野に、燈子が苦笑いしてこぼす。
「女のヒトじゃないと嫌がって抱っこさせないんですよ」
「…終わってるな……」
どういう意味だ。
熊野がポツリと呟いたトコロで、俺達の後ろに次々と他の招待客が列をなし始めていた。
2人がそちらの対応に追われ始めたので、俺たちは席に戻った。
それからも何かと慌ただしくて、そのまま短い新婚旅行へ向かう彼らとは、ゆっくりと話す時間のないままに、セレモニーは終了し___
終わり際に、その“ありきたりな一言”をやっと告げることができた。
「熊野、幸せにな」
「ったりめーだ」
ふっと笑って肩を叩くと、倍の力で背中を“バン”と叩かれた。
痛い。
まあ奴は近々経営陣に加わるんだろうから、仕事でちょくちょくやり合うことにはなるんだろう…