⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
誓って言う。

自分でも信じられないが、俺はこれまでの3年間、彼女との約束、“浮気の自主規制”をずっと守り続けている。

奥さん以外とそういった交渉を持ったことは、1度だってないんだ。

そりゃあ接待の場の雰囲気で、手を握ったり肩を抱いたり、お膝に乗せたりする程度の事あるかもしれない。

さらに成り行き上、そこから先を迫られる事が全くなかったとは言わない。

その度に俺は、ともすればフラッと行きそうになる我が半身を、強靭な精神力で押さえてきた。

その結果、殴られようが引っ掛かれようが、余裕の微笑みを浮かべながら…

 
だがしかし。

元々、少しばかりヒトより本能的欲求が強い(ような気がする)俺様。

それは俺の精神力が正常に働いている場合に限る。

自分のコントロールが効かなくなっていた場合、セクシャルな女性に対して『何もしない』と言い切れるのか?


答えはノーだ。


ああ、思い出せ俺!
願わくば
“何もなかった”という確かな記憶を。

 
あーあ。
酒になんか、これまで絶対酔わなかったのに。
認めたくはないけれど。

やっぱ年かもしんない……
< 82 / 115 >

この作品をシェア

pagetop